후리가나로 읽는 일본 고전
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まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면
お蔦は、蚊いぶしを、床のわきにおいて、
「土肥さんは、召飲れないのでしょう」
「どうも、一向」
「お気の毒ですよ、兄さん、はやく、あの品物を、返して上げてください」
と、健吉へ、縋った。
「そこにある」
健吉は、後ろの床脇の小壁を、眼で指した。水引のかかったままの竹刀と、免許状の包みとが置いてあった。
「――渡してやれ」
「有難うぞんじます」
庄次郎が、頭を下げると、健吉は、張合い抜けのしたような顔で――しかしまだ疑っているように彼の容子を見ていたが――突然、肩を揺すッて、笑いだした。
「おい、唐茄子氏」
「はっ」
庄次郎は、品物が、手にもどると、そこそこに、腰をうかしていた。
「待ちたまえ。――貴公は、一体、何しに来たのか」
「明夜、親戚どもが寄って、手前の免許皆伝を取った祝宴をしてくれますので、ぜひ、この品が入用のために」
「それだけか」
「それだけでござる」
「はははは。――何のこッた、拙者はまた、昨夜のご無念もあるはずと、首を洗って待っていたのだ」
「ど、どうつかまつりまして――」
「昨夜の連中で、たれ一人、拙者を追って来る者のない中に、貴公一人は、俺の背なかから斬りつけた。