일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면

아오조라 문고

少し下ぶくれな頬といい、切れの長い眼じり、横から見た白い鼻のかたち。美人である。庄次郎の憂鬱は、急に、野末の春みたいに、ひろびろとして来た。すっかり、気に入ってしまった。妙に、拗ねたり、鬱いだりしていた自分が、急に、間がわるくなって、からりと、陽なたへ出たような幸福感で、体が熱くなった。

すると、

「なんじゃ」

「どうしたのだ」

叔父が立つ、父が立つ、玄関の方から、人々が呼ぶ。

騒然と、席がみだれ出したと思うと、嫁方の親戚たちが、狼狽に、度を失って、花嫁の手を取ると、

「出迎えの間違いじゃ。門違いじゃった」

「え? ……え? ……」

花嫁は、驚く。

それを、無理に引っ立てて、玄関へ駈け出ると、媒人は、平謝りに、謝っていた。

一組が、どかどかと出る。べつの一組が、どかどかと入って来る。それも、鷹の羽の提灯だった。

「――あれは、上水組同心の鈴木とやらへ嫁ぐのだそうな」

「道理で、すこし、挨拶が、変だとは思ったが……」

「一夜に、二組も、嫁の輿が門をくぐった。間違いとはいえ、めでたい」

後では一同、屋の棟をどよめかせて、笑い崩れたが、庄次郎は、奥でひとりぽかんとしていた。