일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면

아오조라 문고

庄次郎を、自分の部屋へよんで、うす痘痕のある志士の人相書を出してみせた。紛れのない渋沢栄一だった。

罪文は、高崎藩から廻ってきたものである。

庄次郎は唾をのんで見つめていた。

「読めたろう、それで」

「なるほど」

庄次郎は、呻いた。

「すぐ、ふん縛ろうかと思ったが、おめえも懇意らしいし、商売冥利、今日のところだけは見遁してやったが、小倉庵が、承知で、彼奴に大手を振って歩かせていると云われちゃあ、世間に済まねえ、近いうちに野郎を召捕るぜ」

「そうですか」

「同類でないならば、おめえも、一肌ぬいで、手伝ってくれるはずだ。一ツ橋家の藩邸へ、十手を持って踏み込むわけにはゆかねえ。奴を、外へ誘い出してくれれば大手功だが、土肥さん、やってくれるか」

「やりましょう」

そう云うよりほかはない。庄次郎は手引を承知した。

それには、折よく、彼へ届け物の約束がある。

小倉庵も、それは渋沢を誘き出すに好都合だと考えた。

翌々日、二人は、手筈を諜し合わせて、向島から竹屋へ渡舟った。二人の後から五、六名の捕手が、平和な顔をして、歩いて行った。

猿若町の低い屋根越しに、芝居小屋の櫓と幟が見えた。