후리가나로 읽는 일본 고전
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
福沢 諭吉의 福翁自伝(ふくおうじでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 209,912자 · 402화면
鋸鑢に驚く
都てコンナ事は近処に内職をする士族があってその人に習いました。
鋸鑢に驚く金物細工をするに鑢は第一の道具で、是れも手製に作って、その製作には随分苦心して居た所が、その後、年経て私が江戸に来て先ず大に驚いたことがある、と申すは只の鑢は鋼鉄を斯うして斯う遣れば私の手にもヲシ/\出来るが、鋸鑢ばかりは六かしい。ソコデ江戸に這入たとき、今思えば芝の田町、処も覚えて居る、江戸に這入て往来の右側の家で、小僧が鋸の鑢の目を叩て居る。皮を鑢の下に敷いて鏨で刻んで颯々と出来る様子だから、私は立留て之を見て、心の中で扨々大都会なる哉、途方もない事が出来るもの哉、自分等は夢にも思わぬ、鋸の鑢を拵えようと云うことは全く考えたこともない、然るに小供がアノ通り遣て居るとは、途方もない工芸の進んだ場所だと思て、江戸に這入たその日に感心したことがあると云うような訳けで、少年の時から読書の外は俗な事ばかりして俗な事ばかり考えて居て、年を取ても兎角手先きの細工事が面白くて、動もすれば鉋だの鑿だの買集めて、何か作って見よう、繕うて見ようと思うその物は皆な俗な物ばかり、所謂美術と云う思想は少しもない。