후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
野尻と須原を隔てている峠道まで来た時に、道の横手の雪の原で雌雄の狼が交尾うと見えて雪を蹴散らして狂っているのに彼は思わず眼を付けた。
珍らしい見物とはだか武兵衛は道に彳んで眺めたが、それと知ってか狼は互いに狂わしく鳴きながら森の方へと走って行った。
須原の宿まで来た時には暮れるに速い冬の陽が西の雪山にいつか落ちて四辺は鼠色に染まっていた。
武兵衛は居酒屋の縁端にどっかり腰をおろしたが、何より先に茶碗酒をグビリグビリとやり出した。同じこの宿の住民と見えて囲炉裡を囲んで五、六人が賑かに話をしていたが、武兵衛の姿を一目見るや互いに眼と眼を見合わせた。中で年上の一人が恐る恐る武兵衛の側まで来て、恭しい調子で訊くのであった。
「卒爾のお尋ねではございますが、もしやあなたは噂に高いはだか武兵衛様ではござりませぬか?」
「ナニ、この私がはだか武兵衛?」武兵衛はちょっと驚いたが、「いやいやどうしてこの私など、そんな人間ではござり申さぬ」
「それでもこの様な寒空に下帯一つのその姿は……」
「ああこの姿でござるかの。恥を云わねば理が通らぬ、実は野尻の博労相手に勝つ気でやった一文賭博にどっこいこっちがまんまと負けてまずはこの通りと云う有様」