후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
「へへえさようでございますか。そう云われて見れば一文賭博に負けそうな顔付きにも見えますわい」
「そんな顔付きにも見えますかの――見えたというので思い出したが、ついこの先の雪の原で珍らしいものを見ましたわい」
「珍らしいものとはハテ何を?」
「雌雄の狼が交尾うところ……」
「ヒャッ」
と百姓はそれを聞くとこう叫びながら飛び上がった。
「まさか嘘ではありますまいの? 本当だとすると大変じゃ! あの狼という奴はの、交尾うところを見られたが最後、仲間を大勢連れて来て、その見た人間を追っ駈けて、どこへ隠れようと有所を探し喰い殺さねば置かぬ獣じゃ! お前さん本当に見たというなら須原の宿には置かれない。さあどこへなと行ってくだされ。お前がここにいる限りは狼もここへ追っかけて来よう。それこそこの宿は大変じゃ! 畑は荒らされ女子供は喰われ、そのまま全滅しようも知れぬ!」
さすがの武兵衛もこう聞かされては余りよい気持ちもしなかったが、たかが相手は獣のこと、やわか人間たる者が喰い殺されて耐まるものか。とは云えこの宿で襲われたならなるほど宿は迷惑もしよう。よしよしこの宿を出外れて雪の曠野で待ち受けてまこと襲って来たならば、この息杖の折れるまでは打って打って打ち殺そうと早くも決心の臍を固め素早く居酒屋を飛び出した。