후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
「どうしても俺らには解らねえ」
裸体武兵衛は落胆した声で情なさそうに呟いた、数馬も愀いを含んだ声で、
「拙者にもトント解らない」と嘆息するように独言ちた。
その間も太陽は西の方へ、急げ、急げと傾いて行く、霧が次第に厚くなり、物象を朧ろに包もうとする。雪を孕んだ凛冽たる風が颯と一陣吹いて来た、対岸の山の中腹から、濛々たる吹雪が渦を捲いて、竜巻のように空へ昇ると、そこからもここからもかなたからも吹雪の竜巻が嵐を呼んであるいは地を這い空に昇って晴朗であった今日の日が、暴風の姿を現じて来た。
「これはこうしてはいられぬわい。どうやら暴風になったらしい」
「それにもう日も暮れるそうな」
二人は言葉を取り交わせながら尚も谷底に立っていた。霧は益※(二の字点、1-2-22)濃くなった。氷の河も、雪の巌も、灌木の茂みも、山々も、灰色の霧に埋もれて次第に姿が見えなくなった。そのうち二人の姿さえ二間と互いに隔たったが最後、認めることさえ出来ないほどに、濃霧は谷に満ち溢れた。
「いっそ城下へ帰りましょうかい」
武兵衛はついにこう云い出した。
「雪の曠野へ野宿も出来ぬ、一旦、中津川へ帰りましょうかな」