후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
その瞬間に老師の正面東側の戸口が開いて、数人の者どもが現われた。その真っ先に立ったのは、年も恥じず赤黄青のさも華美の色模様ある式服を纏った鬼王丸で、その脂ぎった赧ら顔には得意の微笑が漂っている。つかつかと進んだのは花嫁の前、円座にむずと押し坐ると、グイと芳江姫を打ち眺めたが、つとその眼を翻えすとオースチン師へじっと据えた。
「老師、老師、ご覧の通りじゃ。貴僧ご秘蔵の芳江姫、愚老を恋して結婚なさる。九献の盃致した上は指さえ差させぬ拙者が妻。よくお眼止めてご覧くだされい! ……朱雀四郎よ、盃を持て!」
「応」と――返辞えて出て来たのは四天王の最後の一人、すなわち朱雀四郎であったが、三重の盃目八分に捧げ酌取り女を後ろに従えすり足をして出て来たが、鬼王丸と姫との間へ恭しく静かに置いたのである。
宙に舞う盃
「注げ!」――と、鬼王丸が吠えるように云うと、一つの盃を取り上げた。女が酌をする両手を添えて飲み干すと、つと姫の前へ差し出した。軽い戦慄が姫の体を一刹那走ったと思ったが、観念した姫は悪びれもせず、盃を受けて戴いた。正に唇を着けようとする。とたんにスーッとその盃が、天井から何者か引き上げたように宙に向かって浮き上がったが、鳥か羽虫か生命あるもののように、グルグル室を天井に添うて右に左に廻わり出した。