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ちからもち
力餅
島崎 藤村
「力餅」研究社、1940(昭和15)年11月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 65,974 字 · 130 页
六 子供のお友だちの二
七 子供のお友だちの三
それを見ると子供らは大よろこびで、その上から草をかける、木の葉をかける、しまいには木の葉や草で上人をうずめてしまって、笑い楽しんだこともありました。そんないたずらをする子供らが木の葉や草を集めて運んでくる間でも、上人は死んだふりをして、静かに道ばたに横になりながら、子供らのすることを楽しんでいたというからおどろきますね。
六 子供のお友だちの二
いざ子供走りありかん玉あられ
こんな句が芭蕉翁の書いたものの中にあります。芭蕉翁は、「朝を思いまた夕を思うべし」と教えた人です。
七 子供のお友だちの三
鳴くねこに赤ン目をして手まりかな
柳からももんぐああと出る子かな
初瓜を引きとらまえて寝た子かな
露の玉つまんで見たるわらべかな
ゆで栗やあぐら上手な小さい子
人来たらかえるになれよ冷やし瓜
あんよあんよあんよや母を日傘持
秋風や壁のへマムシヨ入道
われと来て遊べや親のないすずめ
おらが世やそこらの草ももちになる
初袷にくまれざかりに早くなれ
これは一茶という俳諧師の書いておいた句です。
一茶は少年のころからまま母の手に育てられ、ひがみというものも多かった人のようですが、だんだんこの世の旅をして、いろいろな人にも交わってみるうちに、こんなに幼いものにあたたかい心を寄せるようになりました。