轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちからもち
力餅
島崎 藤村
「力餅」研究社、1940(昭和15)年11月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 65,974 字 · 130 页
五 山の上へ来る冬
一年暮らし、二年暮らしするうちに、ふしぎにもその堅い大根でつけたたくあんには、かみしめればかみしめるほど、なんとも言われない味が出てきました。上州あたりの大根なぞはそれに比べると、いっそ水くさいと思うようになりました。
ひどいものですね。はげしい風と、砂と、やけ石の間のような火山のすそにも、住めば住まわれるようになりますね。まあ、その地大根の味をかみあてたころから、わたしの小諸時代がほんとうに始まったと言ってもいいのですよ。
五 山の上へ来る冬
なんという長い冬が山の上へ来ると皆さんもお考えでしょう。
小諸の四季は四月、五月を春とし、六月、七月、八月を夏とし、九月、十月を秋として、十一月から翌三月の末までは冬が続きます。冬は五か月もの長さにわたるのです。春は東京あたりより一月もおくれまして、梅の花がようやく四月に開き、秋は都より一月早く来て、霜にぬれた葉は十月にはすでに赤くなります。十月の二十三日ごろといいますと野べに初霜を見、十一月の七日ごろには初雪が浅間へ来ました。
こうして長い冬が山の上へやってきます。なにしろ海抜三千尺、浅間一帯の山腹にある小諸の位置はほとんど筑波の嶺と同じ高さと言いますからね。