轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちからもち

力餅

島崎 藤村

「力餅」研究社、1940(昭和15)年11月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 65,974 字 · 130 页

青空文庫

三 母を葬りに

塩釜から船で出ました。清く澄んだ海水を通して、海の藻の浮かび流れるのが見えるほど、よく晴れ渡った秋の日でした。なるほど、あそこにも島、ここにも島。船で見て通りますと、指を折って数えつくすこともできません。その島影を人の姿にたとえて言ってみるなら、立っているもの、すわっているもの、しゃがんでいるもの、寝そべっているもの、その姿は千差万別ですが、いずれも松の緑の模様のついた着物を着ているのが目につきます。松島はそういうところです。ここには「ばばが鉦打つ念仏島」という名の島もあります。そんなおばあさんの着ているはんてんまでが、おそろいの松の模様でした。

三 母を葬りに

「ハハキトク、スグコイ。」

こんな電報が東京からとどきました。

母の病気とは思いがけないことでしたが、わたしはすぐにしたくして、学校へも届を出し、大急ぎで仙台をたちました。東京の留守宅は本郷森川町というところにありましたから、急いで行って見ましたが、ざんねんなことにはもう間に合いませんでした。

その年の秋、東京にはごく激しいコレラがはやりまして、たくさんな人がそのためにたおれたと聞きます。