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かいじんとしょうねんたんてい

怪人と少年探偵

江戸川 乱歩

「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页

青空文庫

くらいトンネルのような横穴を、しばらく行くと、またドアがあって、それも、ひとりでに、すうっと開きました。

ドアの向こうは、小さいへやのようになっていて、血のように赤い電燈が、ぼんやりついていました。

「うふふふふ……やってきたね。待っていたよ。いま、きみたちに、おもしろいものを見せてやるぞ」

しゃがれた、低い声が聞こえてきました。ぎょっとして、へやのすみを見ると、そこのいすに、なんともいえない、きみのわるいやつがこしかけていました。

頭には、もじゃもじゃと、しらががみだれ、白いあごひげが、胸をかくし、せなかは二つに折れたように曲がった、八十ぐらいのじいさんです。それが、こじきのような、ぼろぼろの服をきて、うずくまっているのです。

「きみはだれですかっ」

井上少年が、少しもおそれないで、たずねました。

「わしは地の底のぬしじゃよ」じいさんのしゃがれ声が、答えます。

「ここへ、人形みたいな顔の男の人が、小さい女の子を連れて、はいってきたでしょう」

「うふふふふ……はいってきたよ。だが、きみたちは、それをどうしようというのだね。女の子を助けにきたのかね」

「そうです。