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かいじんとしょうねんたんてい
怪人と少年探偵
江戸川 乱歩
「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页
やみの中の口笛
なんと、ぬけめのない、かんがえじゃないか。みんなおれのすみかへ、集まっている。警察も、明智探偵も、少年探偵のチンピラどもも、あすこへ集まって、野村家はからっぽだ。そのすきをめがけて、宝冠をちょうだいにあがるのだ。うふふふ……
そのうえ、中村警部にばけて、先生をあっといわせるのだからな。われながら、すばらしいおもいつきだよ……おい、もういいから、とばしてくれ。何分あれば先方につく?
なに五分。そうか、もうそんなに来ていたのか。よし、よし、ともかく、いそいでくれ」
やみの中の口笛
やがて、葬儀車は、野村さんのやしきのそばにつきました。
怪人は百メートルほどてまえで、車を止めさせると、まず、うしろのとびらを、すこし開いて、あたりに人のいないことをたしかめてから、いきなりパッと、そとへとびだし、そのまま、野村さんの門のほうへ急ぐのでした。
ところが、そのとき車をおりたのは、怪人ひとりではありません。さいぜんから、ずっと尾行をつづけていた、アケチ一号とよく似た車からも、黒い人影が、とびおりたのです。みなさんおさっしのとおり、それは小林少年でした。
「中村警部とそっくりだ。