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かいじんとしょうねんたんてい
怪人と少年探偵
江戸川 乱歩
「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页
葬儀自動車
葬儀自動車
人形怪人は、おまわりさんにばけて、マンホールから、にげだしてしまいましたが、それより、すこしまえのことです。
中村警部が、怪人をさがすために、おおぜいの警官をつれて、地下道へはいっていったとき、あとにのこった明智探偵と小林少年は、へやのすみへいって、なにかひそひそと、そうだんをしていました。
「ぼくは、野村さんのうちへ、みち子ちゃんを送っていく。そして、そこに、しばらくいるつもりだ。もしも、ということがあるからね。車は中村君のをかりることにするから、きみはアケチ一号を使うがいい。ぬかりなくやるんだよ」
「ええ、わかりました。もし、あいつが、いつもの魔法をつかって、逃げだしでもしたら、けっして見のがしません」
そして、ふたりは右ひだりにわかれて、それぞれの自動車へ急いだのですが、このふしぎな会話は、いったい、なにを意味していたのでしょう。それは、まもなく、わかるときがくるのです。
さて、お話はもとにもどって、マンホールから、逃げだした人形怪人です。
警官の服をきて、みんなをごまかしたことは、じきわかるのですから、いつまでも警官服を着たままで、歩いているわけにはいきません。