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かいじんとしょうねんたんてい

怪人と少年探偵

江戸川 乱歩

「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页

青空文庫

電話の声

小林少年は、自動車へもどって、無電で明智事務所をよび出し、明智先生に、このことをほうこくしました。

「たしかに、あやしいマンホールです。鉄管なんか一つも通ってません。それに、コンクリートのひみつ戸があるんですが、どうしても、あきません。警視庁の中村さんにれんらくして、コンクリートをこわしてもらってはどうでしょう」

すると、明智先生は、

「そんな手あらいことをしては、あい手がにげてしまうよ。そのマンホールから、ちかくの、どっかのやしきの中へ、ひみつの通路ができているにちがいない。君たちふたりで、一けん一けん、しらべてみるんだ。あいてにさとられぬようにね。見つかったら、野球のボールが、おたくのへいの中へおちましたから、ひろわせてくださいと、言えばいいんだ。こういうしらべは、君たちのような少年のほうが、うまくいくんだよ」

「じゃあ、やってみます」

小林少年は、げんきよくこたえて、無電をきり、いよいよ、山村君とふたりで、そのきんじょの、大きなやしきを、一けん一けんしらべてみることになりました。

電話の声

こちらは、井上少年とポケット小僧です。

ふたりは、やっとへびの部屋からのがれて、さらに、おくのほうへ、すすんでいきました。