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かいじんとしょうねんたんてい

怪人と少年探偵

江戸川 乱歩

「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页

青空文庫

地底の声

BDバッジがとどいて、ぼくらをたすけにきてくれたのじゃないかしら」

「うん、きっとそうだよ」

まっくらな水の中のふたりはうれしそうに、ことばをかわしましたが、やがて、足音はだんだんとおざかっていって、またもとの、シーンとしたしずかさに、もどってしまいました。

「おうい、ぼくたちここにいるよう。たすけてえ……」

ポケット小僧が、死にものぐるいの声を、はりあげました。

しかし、みんなは、とおくへ行ってしまったらしく、なんの手ごたえもありません。

地底の声

明智探偵と、小林少年と、中村警部と、おおぜいのおまわりさんの力で、怪人の家にとじこめられていた、野村みち子ちゃんは助け出されました。これで、もう怪人はみち子ちゃんのおとうさんを、おどかして、宝石を手に入れることはできなくなったわけです。怪人の家の一室には、ぬすみためた宝石や、金銀の美術品が、たくさん置いてありました。これも、すっかりとりもどしましたから、すぐに、もとの持ち主にかえせるわけです。ところが、怪人がどこへかくれたのか、まだ見つかりません。手下が、ふたりつかまりましたが、怪人のかくれ場所は、このふたりも知らないというのです。