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かいじんとしょうねんたんてい

怪人と少年探偵

江戸川 乱歩

「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页

青空文庫

人形のへや

もう、ものが言えない。ぼくもおよぐよ。からだをくっつけて、浮いていようね」

井上君も、からだを浮かせました。さむいという気候ではありませんが、やっぱり水の中はつめたいのです。いつまで、このつめたさを、がまんできるのでしょうか。

人形のへや

小林少年たちが見つけた、あやしい家には、明智探偵と中村警部が、五人の制服警官をつれて、かけつけていました。まえにきていた十一人のパト・カーの警官とあわせて、警官のかずは十六人です。小林君から、くわしい話をきくと、すぐに家の中へ、ふみこむことになり、明智探偵と中村警部と小林少年のほかに、八人の警官がつづきました。

のこる八人の警官は、家の表と裏に立ちばんをすることになりましたが、そのうちの三人は、そとのマンホールを見はるのです。怪人がそこからにげだすのを、ふせぐためです。

げんかんの戸は、なんなくひらきました。家の中はまっくらで、ガランとしていて、まるであきやのようです。みんなはスイッチをおして電燈をつけながら、へやからへやと、しらべてまわりました。しかし、どこにも人かげはありません。

ひとつだけ、みょうなへやがありました。