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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
私は反応が陽でしたから大丈夫ですが。
日曜以来、すっかりタガをゆるめてしまっていたので、実にいろいろ気をもみ、本当にきょうは吻っと、よ。昨夜は、切角いたのだからと寿江子も夕飯に一緒に近所からちょいとした支那料理をとって御馳走をしてやりました。そして、おっしゃっていた半分をもたせてやりました。ちょろりとどこかへおいてのこして行こうとするので、包みの中へ突こんでやりました。かえって御覧、あってよかったと思うのだから、と云って。
上野へは白田と云って従兄で、これも目下やっているのが送りに来ていて、すまなかったと云っていました。
さっきお話したようなわけで、何だか兄さん男を下げた気味ね。どうりで、恭子が工合がわるくなったら白田に云ってくれと云っていたのだわ、初めに。いろいろ兄さんとしては可能を知っていたわけですものね。神経系統の方はうちでは大丈夫だったのは見つけものですが、イジワルがいないから、それはよかったのね。気質も明るくなったと云われたそうでした。正月かえったときに。あの子とすれば全く可哀想です、体のよわいということは、気の毒としか云いようないのだから。