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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
八月二十二日
シャボンを一つお送りしておきます。
きのう一寸お話の出た綿入れは、大島の羽織、着物、茶じまの下へ重ねて着る分。赤っぽい縞の八反のどてら。めいせんのしまの厚いどてらがかえっていて、全部でしょう? これで。
それから銘仙の上下おそろいの袷ね。袷は一そろいしかお送りせず、それはかえって来て居ります。毛糸ジャケツ上下もかえって来ていて目下クリーニング屋です。
さあこれから二階へ行って、パンパンパンパンふとんを叩いてとりこみます。この頃はたのしんで早ねをして居ります。多分そのうちにすっかり好調になりましょう。チェホフは、自分の気持が紙と平らになるという表現で、仕事にうまくはまりこんだ状態を語って居ります。私には何かうまく歯車が合うという感じですが。では火曜日にね。一時ね。
八月二十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
八月二十一日 第三十六信
十六日のお手紙への返事、家については、火曜日に申上げたようにしたいと思います。いろいろとこの数ヵ月自分の気持をこねくっているうちに、段々一つの方向がついて来たようなところもあって、申しあげたように、決心もきまったところがあります。