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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

08 一九四一年(昭和十六年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页

青空文庫

東京は二合とすこしになるのでしょう一人一日。御飯のお客なんかは出来なくなります。

いまに島田へゆくのにも、自分の分の切符持ってゆかなくてはならないことになるかもしれませんね。

ああ、有光社という本屋を御存知? そこで短篇集を出したいのですって。いろんな人のを出すのですが。インディアン・ペイパアは字引にしかつかわないのかと思ったら、その本やはそれを使ってポケット型にして一円の本にして五千刷るのですって。四月末に原稿が揃えばよいとのことですが。三百頁余で。どんな風に揃えられるかまだ見当がつきません。前の二つに相当入れてありますから。有光堂はお茶の本、仏教の本など出していて、自分のところでは二万は確実に読者をもっている、というようなことを云って居りました。一ヵ月に四五冊ずつ出してゆくのですって。何だか荒っぽい話ねえ。若し特別な支障がないと今年は今わかっている分で五冊まとまる筈になっているのですが。高山のはぬきに。もうこれはじきでしょう。とらぬ狸の皮算用ということはことに昨今全く論外ですから、一つ出れば、はァ出たかというようなものね。

それからもう一つきょうきいた話。