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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
のおしまいに加えているのでしょう。
本当にこの紙はひどくてすみません。伊東やへ行くと、先つかっていたようなタイプライターの紙があるかもしれないのだけれど、あっちへつい足を向けないものだから。原稿紙だって今時はなかなか自家用をこしらえるなんてわけには行かないのよ。私は自分の原稿紙だの用箋だのをつくらせるのは寧ろ滑稽な感じがするのよ、何々用箋だなんて。そんな紙に手紙かいて、一層滑稽なことは自分の名を印刷した封筒に入れてね。
原稿紙もあたり前に何のしるしのないものをこしらえさせてはいたのです、用箋の紙はおそらくないでしょうね。あれば日本紙でペンでかけるのなんかでもまあ用に足りますね。ボロに還元するに時間がいくらかもつでしょう。
ヘミングウェイの下巻、古で見つけました。上巻よりも何というかしらテーマの集注した部分です。二十世紀の初めから、たとえばトルストイに「ハジ・ムラート」があるでしょう、そのほかどっさりコーカサスをかいたものがあります。それからファデェーエフの「ウデゲからの最後のもの」、それからこの作品の中のソルド。ここでは又農民というものも歴史の水平線の上にあらわれて来て「チャパーエフ」