轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
十一月十六日
百円で子供もちだとキューキューですものね。大学出で或年まではその位らしいわ。
きょうは曇天ね(十三日)。あしたどんな天気かしら。咲枝の買って来てくれた羽織を着てゆきたいのに。ではね。
十一月十六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
十一月十五日 第五十一信。
今夕方の五時でね、もう雨戸をしめ、机に向い、足はぽかぽかとしていい心持なのよ。元気のあるいい心持です。どうしてそうかしらとふっと考えたら、寿江子がカゼで、きのうもきょうもブカジャンがないのです。だからなのねえ。力のたまったいい心持です。こんなに気分ちがうかと思うと、何だかおかしい。勿論寿江子の風邪ひきは可哀そうですが。でも、ラジオと音楽とでうちは大抵の頭は散漫になってしまうわ。めいめいそれぞれの音係りは、それぞれの道からきているのですけれども。ラジオはラジオとしての波をだけ。音楽のひとは自分の専門――目下のところハーモニーの勉強などから。それらのどっちも、普通人の音の感覚できいているのは私や太郎やああちゃんよ。あわれ、あわれ。
この頃時々、目白での或ときの心持、感情を思いおこします。