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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
二月十七日
私のたべた夕飯はもうすこし夕方に近かったようでしたが。やっぱり三時〆切り五時におかえりだからかしら。
きょうは早く寝ます、そして、明日いろいろこまかいものいくつか書くの。すこし眼がつかれているから。今年の十三日のためにアトリエから出ている画の本をすこしまとめて買い、茶の間におき折々見ようと考えます。
きょうの気持の工合では月曜日に行ってしまいそうよ。
二月十七日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
二月十七日 第十一信
きょうはすこし虫がおこって、さっきパラパラと雨の音がしはじめたらひどくそちらへ行きたくなりました。でも、ごちゃごちゃ仕事を片づけなくてはいけないし、私はうちにいた方がいい体の調子だし、それで机の前にねばって居ります。昨夜寿江子と目白の通りを散歩して、この間うちから云っていた今年の十三日のために絵の本買うと云っていた、それを新しい古で十二冊ほど買い 8.60 也、チューリップの立派なの一輪、黄色い奇麗なラッパ水仙二本計 .90 買って、きょうは机の上にチューリップを、ベッドの裾の柱にこのダフォディルを活け、大変さっぱりとした眺めです。