轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

だけれども、あれが蜂谷のかんちがえだけだったと云えるのだろうか。蜂谷は伸子より率直に、伸子を光りもののようにした欲望を、ありのままに解釈したのではなかったろうか。

自分へのおどろきとともに、伸子は自分自身のわからなさへ、わけ入った。人間のこころの不思議さ。あのとき、欲望を欲望として自覚していなかった伸子が、そういうものとして行動したことを、伸子はやっぱり自分に許すしかなかった。でも、あのタワーリシチ、という言葉。――考えれば考えるほど伸子を考えこませる言葉――伸子の欲望とともに自覚されない奥底に育っていて、あのとっさに、動かしがたく作用したこのひとこと。――

これらはどれも、みんな伸子自身にとって不意うちだった。だれをどうとがめるよりも、蜂谷と自分との間に起って、そのどちらをもはねとばした電撃のあとを、伸子はびっくりして見直しているのだった。

伸子は歩きながら、いつもより疲れの感じられる声で蜂谷に云った。

「わたしも、ごめんなさい」

「僕は、伸子さんがそんな風にいうのは、いやだ。伸子さんてひとは、僕なんぞからみると、おどろくほどヒューマニスティックなんだ。