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どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
「わたしたちの課題なんだわ」
引越さなければならなくなったことは、外国人一般としてわたしたちの課題だと伸子は考えはじめた。その課題を、自分たちとしてどんな風に解き、どういう答えをそこから引き出すか。伸子が、近づいて来る国境の森の入り口を眺めながら心に抱きしめて感じた思いの、真実の力をためされる機会の一つだと考えるようになった。問題は、素子がおこっていうように、伸子たちが個々の生活でソヴェトに対して害のある何をした、というところにあるのではなかった。帝国主義のやりかたを、ソヴェトの社会はどうみているか、その必然を、伸子たちがどの程度理解するか、そこに、伸子たちの課題のときかたがあるわけであった。素子が感じているように、ソヴェトの役に立つ外国人か、そうでない外国人か、という目安からだけひとが計られるとすれば、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)は遂に卑屈な外国人、ひそかなたくらみをもっているために外見は共産党員になっているかもしれないような積極的な外国人ばかりしかいなくなってしまうだろう。ソヴェトがそれでいいのなら、どうしてベズィメンスキーの「射撃」