轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

「お前さんかね――日本の女のひとっていうのは?」

いきなりのことで伸子は返答につまった。しかしここで日本の女と言えば自分よりほかの誰でもないわけだった。伸子は、

「何か用ですか」

ときいた。

「入ってもかまわないかね」

「どうぞ」

伸子は、長椅子の方をさして、

「かけて下さい」

と云った。

「寒くないかしら。――ここの窓はガラスがこわれているんだけれど」

「なに、かまわないさ」

その女は、ひどく亢奮している様子でそんなことは面倒くさそうにせかせかと云った。

「わたしはね、ちょいとお前さんに会って話したいと思って来たのさ」

抗議することのある調子だった。伸子は何だろうと思った。人の気をわるくする機会があるほど伸子はまだ動けないでいるのだから。見当のつかないまま伸子は、

「スカジーチェ(おきかせなさい)」

と云って、両方の手を、半身おきあがっているかけものの上においた。

「わたしは、腎臓がわるくて、体じゅうはれたんでこの病院に入って来たのさ。できるだけ早くよくしてもらって、すぐかえるためにね。それが二週間よりもっと前のことさ。ところがもうこの一週間はわたしの体からはれがひいて、すっかりなおっているのに、ドクターは、まだ癒っていないって云うのさ。