轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

そして、そこへ立ちどまった。食堂に用意されていたのは、簡単ながら一つの宴会だった。

「どうも、こりゃ恐縮だな」

いくぶん迷惑そうに日本語でそういう誰かの声がきこえた。案内の役人は、特に女である伸子たちに、

「どうぞ、どうぞ、席におつき下さい」

自分が立っている真向いの席をすすめた。食堂には五六人の雑役が給仕のために配置されている。灰色服に灰色囚人帽の彼らは軍隊式な気をつけの姿勢で、テーブルから一定の距離をおいて直立しているのだった。どの顔にも、外来者に対するつよい好奇心がたたえられていた。伸子が、その示された席に腰をおろそうとしたとき、うしろに立っていた若い一人の雑役が、素早い大股に一歩ふみ出して、伸子のために椅子を押した。

みんな席について、さて格式ばった双方からの挨拶が短くとりかわされて、見学団一行の前に、ジャガイモとキャベジの野菜シチューの深皿が運ばれて来た。

「これがきょうの囚人たちの昼飯だそうです。さっき廊下を通られたとき配給されていたのと全くおなじものだそうです」

役人のとなりに席を与えられた幹事の津山進治郎がみんなに説明した。同じもの……と心につぶやいた。