轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さんまいつづき

三枚続

泉 鏡花

「大阪毎日新聞」1900(明治33)年8月9日~9月27日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 页

青空文庫

口寡で、深切で、さらりと物に拘らず、それで柔和で、品が打上り、と見ると貴公子の風采あり、疾病に心細い患者はそれだけでも懐しいのに、謂うがごとき人品。それに信州、能登、越後などから修業に出て来て、訛沢山で、お舌をなどという風ではない。光起の亡き父も、義庵と称して聞えた典薬頭、今も残っている門内左手の方の柳の下なる、この辺に珍しい掘井戸の水は自然の神薬、大概の病はこれを汲めばと謂い伝えて、折々は竹筒、瓶、徳利を持参で集るほどで。

先代の信用に当若先生の評判、午後からは病院に通勤する朝の内だけは、内科と外科としかるべき助手を両名使って、なお詰めかける患者を引受け切れず、外神田に地を選んで、住所の町名をそのまま、明石病院というのを私立で当時建築中、ここで山の手の病家を喰留めようという勢。

山の井の家には薬局、受附など真白な筒袖の上衣を絡って、粛々と神の使であるがごとく立働くのが七人居て、車夫が一人、女中が三人。但しまだ独身であるから、女は居ても何となく書生が寄合ったという遣放しな処があって、悪く片附かない構の、秘さず明らさまなのが一際奥床しい。

記者遠山金之助は、愛吉からこの山の井の名を聞くと、一層、聞く話に身が入った、蓋しかねて自分は医学士と別懇であったせいである。