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さんまいつづき

三枚続

泉 鏡花

「大阪毎日新聞」1900(明治33)年8月9日~9月27日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 页

青空文庫

三

そうしちゃあ管を巻いて往来でひッくり返りまさ、病だね。愛、手前その病気だけは治さないと不可えぜと、私あこれでも偶にゃあ親身になっていうんです、すると何と、殺されても恨まないから五合買っとくんなさい、とこうでしょう、言種が癪に障るじゃありませんか。」

三

愛吉は何にもいわず、腕を拱いて目を外して、苦言一針するごとに、内々恐縮の頸を窘める。

紋床は構わず棚下、

「活きるか死ぬかというこれが情婦だったって、それじゃ愛想を尽しましょう、おまけにこれが行く先は、どこだって目上の親方ばかりでさ、大概神妙にしていたって、得て難癖が附こうてえ処でその身持じゃあ、三日と置く気遣はありやしません。もっとも三日なんて置こうものなら、はじめの日は朝寝をして、次の夜は内をあけて、三晩目には持遁をしようというもんだ。」

「まさか、」といって客の金之助は仰向けに目を瞑る。

愛は小指のさきで耳朶をちょいと掻いて、

「酷いなあ、親方。」

「まあそういった形よ、人情は同一だから、」

「何が人情、」

「そうじゃないか、だってお前真似をするにも好いことはしたがらねえだろう、この間もね、先生、お聞きなさいまし。