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さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
「大阪毎日新聞」1900(明治33)年8月9日~9月27日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 页
四十六
」
「むむ、」とお夏は打頷く。
愛吉驚いた風で、
「途方もねえ。」
「私にだって一人や二人は打てようじゃあないか。」
「飛んでもねえ。」
お夏は澄したもので、
「不可いかしら?」
「不可いたって、可いたって、そんな身体で、あの中へ揉込まれて、串戯じゃアありませんぜ。髪の毛でもつかまったらどうします。」
「まあ、」
「ええ?」
「そうね。」とわけもなく合点する。
愛吉は乗出して、
「呑気じゃあ困りますな。」
四十六
「だから私がいつでも言うんじゃございませんか、荒いことは軍鶏と私とで引受ますッて。ですから私におっしゃるまで、我慢をしていなさらなけりゃ不可ません、まったくですよ。御新造様がどんなに心配をなさるか知れません、可うがすかい。」
「それでも打棄って置くと殺されるじゃあないか、鶏を寄越せって謂うんだもの。」
「そりゃもう。いえ、済んだ事は仕方がありませんが、これからもあることです、これからの事ですよ。だって先刻も私が来合せましたから宜かったようなものの、どうして立至った場合なら、貴女一人で叶いっこがありますか。どうせ叶わねえので見りゃ、怪我なんぞなさらない方が割方でございましょう、威張ったって婦人だ、何をし得るもんですか。