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さんまいつづき

三枚続

泉 鏡花

「大阪毎日新聞」1900(明治33)年8月9日~9月27日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 页

青空文庫

そういう風だから山手も下町も、千住の床屋でまで追出されやあがって、王子へ行きますとね、一体さきさき渡がついてるだけにこちとらの稼業はつきあいが難かしゅうがす、それだのにしばらく仕事をさしてもらおうというその初対面の許で、宿の中ほどの硝子戸をあけると、突然、私あ忙しい身体でござえして……とこうさ。

どうです言種は、前かど博徒の人殺兇状持の挨拶というもんです。それでなくッてさいこの風体なんですもの、懐手でぬッと入りゃ、真昼中でもねえ先生、気の弱い田舎なんざ、一人勝手から抜出して総鎮守の角の交番へ届けに行こうというんでしょう。

この頃は閑だからと、早速がりを食って奴さん行処なし、飲んだ揚句なり、その晩はとうとうお宮の縁の下に寝ましたッさ。この真似もまた宜しくねえてね。

仕方がねえんで舞戻って例のごとく親方済みません、が呆れたもんです。そうして私が忙しい体でござえして、とこういう塩梅に遣ッつけました。目を円くして驚きゃあがって、可笑しゅうがしたぜ、飛んだ面白えやと、それを嬉しがっていやあがる、始末におえねえじゃアありませんか。それがまた似合うんです、ちょいとこんな風、」