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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
的な探偵小説を書いてみたいと思うようになっていた。その探偵小説の人間的な合理性ということを私に教えてくれたのは、先程申した佐藤春夫氏の短篇だったのである。
その意味に於て、完全な正解が四氏もおられたということは、私のかねての目的が達成せられた一証左ではないかと思われ、私はうれしい。
もっとも、私が答案の山の中から最初にとりあげたのが、事もあろうに、長野の秋元氏の正解の答案であり、いきなり完全正解であるから、このときトタンにギョッとして、こらイケナイ、それから三通ばかり見ると、又、三通目に今度は高知の庄司氏の正解答案で、もうダメだ、これは大変なことになった、五六十人も当てているんじゃないかと思った。運悪く私の見た始めの三分の一に正解が全部あり、次々に、いささかギョッとさせられたのである。
最も答案の名作は森川信一座の俳優木田三千夫氏からのもので、これはまさに前代未聞の発想法により、現代推理小説のかつて思い及ばざる着眼点から、作者の向っ脛をカッ払って出てきたもので、
ひとつ、下枝は歌川家に召使わるること、という条より始まり、つまり、下枝というヒナには稀れな美少女が歌川家へ召抱えられる事となり、多門老人の腰元となって侍くうち、つれづれなるままに多門の書架より古今東西の探偵小説をとりいだして読むうちに、持って生れ