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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

二時半に予審判事、検事、警官の一行が官用の自動車で到着。一馬から頼んで巨勢博士を警官なみに現場出入を許してもらった。

警察医の検視が終り、現場からかなり多くの指紋がとれた。捜査部長平野雄高警部は心眼の眼力、いかなる智能の犯行も一目でカングリ、二度三度、四度目にギロリと睨む時には見破ってしまう。田舎にはモッタイない探偵の大親分で「カングリ警部」といえば、その道では全国的に名が知れている。現場をジロリと三睨み四ツ睨みして、あれこれと綿密に捜査を命じる。

「出血がないのは特別の理由があるんじゃないですかな。すでに死んでいたとか、何か」

「解剖をしてみなければハッキリは申せませんが、この場合は俗に心臓タンポンという奴で、心臓へ直角に兇器が打ちこまれたときに、稀に内出血だけで終ることが有りうるのです。然し、解剖の上でなければ、何とも断定は申されません」

解剖のため、屍体をトラックにつんで、県立病院へ送った。

「はてな。これは何だろう」刑事の一人が寝台の下から、真鍮の小さな鈴を拾いあげた。この刑事は、荒広介という部長で、県内きっての探偵だ。どんな手口でも嗅ぎ分けて犯人を嗅ぎだしてしまう鋭敏な六感、刑事仲間で「八丁鼻」