轻松读懂日语经典作品
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
彼を待つもの「キング 第二十六巻第四号」1950(昭和25)年4月1日、はるかなる青春「キング 第二十六巻第五号」1950(昭和25)年5月1日、〔欠題〕「キング 第二十六巻第六号」1950(昭和25)年6月1日、兄の立場「キング 第二十六巻第七号」1950(昭和25)年7月1日、ある少女の役割「キング 第二十六巻第八号」1950(昭和25)年8月1日、父の孤独「キング 第二十六巻第九号」1950(昭和25)年9月1日、愛と死と生の戯れ「キング 第二十六巻第十号」1950(昭和25)年10月1日、運命に逆うもの「キング 第二十六巻第十一号」1950(昭和25)年11月1日、変転の外に「キング 第二十六巻第十二号」1950(昭和25)年12月1日、この日あるがために「キング 第二十七巻第一号」1951(昭和26)年1月1日、二つの未来図「キング 第二十七巻第二号」1951(昭和26)年2月1日、希望の羽ばたき「キング 第二十七巻第三号」1951(昭和26)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,262 字 · 276 页
京野等志は、まだその戦法に熟達はしていないが、闘志満々、義憤に燃えて、蠅たゝきを持つ手が、ぶるぶる、ふるえているのである。しかし、熊ん蜂は、なかなか、近くへ寄つて来ない。
小萩は、いらいらしながら、こつちを見ていた。
「チクショウ!」
と、京野等志は、歯ぎしりをした。
が、その時、どうしたはずみか、熊ん蜂の大きな図体が、急に丸まつたと思うと、それこそ、木の実が落ちるように、ポタリと地面にころげ落ちた。よくみると、その頸に一匹の蜜蜂がしがみついて、尻の剣を深く背中に突き刺していた。
「やられたよ、とうとう……。しかし、あくまで一騎打ちとは面白いな。見せようか? やつた蜜蜂も、むろん死んでるよ」
蜜蜂は、敵の体内に剣を残して、自分も、そこで生命を終るのである。
小萩は、そんなものは見なくていゝというので、京野等志は、そのまゝ、上へあがつた。霧はもう、崖を這つて、向うの林を墨絵のようにぼかしはじめていた。
「呑気なやつらだ。どつちも、大した用事なんかないのに、わざわざ、こんなところへやつて来やがる。君の名前は黙つてるわけにいかんから、喋つたが、二人ともむろん、君のことは覚えてるんだから、ちよつと会つて、一言なんか言つてやればいゝのに……」