轻松读懂日语经典作品
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
彼を待つもの「キング 第二十六巻第四号」1950(昭和25)年4月1日、はるかなる青春「キング 第二十六巻第五号」1950(昭和25)年5月1日、〔欠題〕「キング 第二十六巻第六号」1950(昭和25)年6月1日、兄の立場「キング 第二十六巻第七号」1950(昭和25)年7月1日、ある少女の役割「キング 第二十六巻第八号」1950(昭和25)年8月1日、父の孤独「キング 第二十六巻第九号」1950(昭和25)年9月1日、愛と死と生の戯れ「キング 第二十六巻第十号」1950(昭和25)年10月1日、運命に逆うもの「キング 第二十六巻第十一号」1950(昭和25)年11月1日、変転の外に「キング 第二十六巻第十二号」1950(昭和25)年12月1日、この日あるがために「キング 第二十七巻第一号」1951(昭和26)年1月1日、二つの未来図「キング 第二十七巻第二号」1951(昭和26)年2月1日、希望の羽ばたき「キング 第二十七巻第三号」1951(昭和26)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,262 字 · 276 页
二
のことなのであろう。
現に、彼は、東京駅へ着くと、その足で中央線に乗り換えはしたが、まつすぐ荻窪へは行かず、新宿で電車をすてた。もう、日が暮れていた。
二
敗戦のすがたはこれかと思われる奇怪な雑沓とネオンの光のなかを、彼は、つとめて平然たる足つきで縫い歩いた。嘗て足繁く通つたバアの看板はどこを探してもなかつたが、風変りな喫茶店が軒を並べた裏通りで、彼は真夜中まで、どぎつい色と匂いのなかで、盃を傾けた。
あるそういう店の女主人が、彼に突然、馴れ馴れしく話しかけた。
「あなた、失礼だけど、遠くから帰つてらしつた方ね。今朝、どつかへ上陸したつていう顔よ。ほら、その眼つきよ、いやに懐しそうな眼つき、こわいようだけど、その実、なんかを探している淋しい眼つき、わかるわ、あたし……」
彼はもう可なり酔つていたけれども、その言葉が、たゞのキザなお座なりとは響かず、周りを取巻く女たちの蓮葉な笑い声に交つて、気味わるく尾を引き、チクリと脳天にこたえた。
「ふむ、そう見えるか。いゝ勘だ。そういう君は、たしか満洲からの引上げだね。どうだ、そのカールでかくした額に書いてある」
「あら、すごい」