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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

彼を待つもの「キング 第二十六巻第四号」1950(昭和25)年4月1日、はるかなる青春「キング 第二十六巻第五号」1950(昭和25)年5月1日、〔欠題〕「キング 第二十六巻第六号」1950(昭和25)年6月1日、兄の立場「キング 第二十六巻第七号」1950(昭和25)年7月1日、ある少女の役割「キング 第二十六巻第八号」1950(昭和25)年8月1日、父の孤独「キング 第二十六巻第九号」1950(昭和25)年9月1日、愛と死と生の戯れ「キング 第二十六巻第十号」1950(昭和25)年10月1日、運命に逆うもの「キング 第二十六巻第十一号」1950(昭和25)年11月1日、変転の外に「キング 第二十六巻第十二号」1950(昭和25)年12月1日、この日あるがために「キング 第二十七巻第一号」1951(昭和26)年1月1日、二つの未来図「キング 第二十七巻第二号」1951(昭和26)年2月1日、希望の羽ばたき「キング 第二十七巻第三号」1951(昭和26)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,262 字 · 276 页

青空文庫

三

昂然と言いはなちはしたが、その言葉には自分でも多少の誇張があることを認めるらしく、あとは、舌を出してごまかしてしまつた。

三

京野等志は、この真喜という妹のどこかに、なるほど一家の誰よりも強く明るい性格がのぞいているのを感じ、これはこれでいゝのだと思つた。南条己未男との間柄も、別に詳しく詮議だてをしようとは思わなかつた。たゞ、戯談めかして言つた南条のいつかの述懐が、戯談どころか、それが真意であつたことを、やはり、南条らしいと思つた。後は、実際に、真喜の居所をどうしてつきとめたか? そして、どういう出方で、いわゆる友達づきあいをしはじめたか? それもこれも、彼にとつては、どうでもいゝことである。

ホテルの門前に辿りついた時、真喜は、大声で、「南条さん……早くいらつしやあい」と叫んだ。南条己未男は、二、三十歩後から、ちやんとついて来ていた。

「もう話はすんだの?」

と、彼は真喜の方に問いかけた。

「えゝ、すんだわ。こんどは、あなたの番、あたし、あつちへ行つてましようか?」

「僕は、君に、なんにも秘密はないんだ。そこにいたまえ。ねえ、京野君、どう思う、君は? 真喜ちやんは、僕のお神さんになれば幸福だろう?」