轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちからもち

力餅

島崎 藤村

「力餅」研究社、1940(昭和15)年11月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 65,974 字 · 130 页

青空文庫

三 手製のおもちゃ

どうするのかと思って見ていますと、斎藤さんは細い指でそれを折りたたんで、羽織のひもの乳のあたりに結びつけておきました。あとになって羽織のひもをとく時に、覚えておきたいことを思い出そうとするらしい。その時、わたしは斎藤さんが日ごろの心づかいというものを見つけたように思いました。

記憶のいい人はやはり違いますね。

三 手製のおもちゃ

ある日、頼みたい用事があって本郷湯島から谷町をへだてたところに住む中村不折さんの以前の住まいをたずねたことがありました。当時、中村さんは新進な画家で、独立の気象に富んだ美術家でしたが、さすがに大成するくらいの人は若い時からちがったところがありました。自分の子供にくれるおもちゃなぞも手造りにし、厚手な白木の板の上に線を引いて、子供のよろこびそうな金魚でも、うさぎでも、みな自分でかいたものでした。画家のお手のものとはいいながら、あの中村さんが幼いものに与えているいいおもちゃには、わたしも心を動かされたことを覚えています。中村さんはすべてにそういう心がけを持っていまして、細い絵筆の力一つでしっかりと立っているような人でした。

四 小山喜代野さんの碑銘