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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

08 一九四一年(昭和十六年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页

青空文庫

まあ、又のおたのしみにしておきましょう。かえりに倉敷で一寸おりて大原コレクションを見ようかと思いましたが、これまた汽車のつづきがわるくて、あのあたりで急行にのりついだりしたら、立って東京迄かえらなければならないでしょう。これも亦いずれのおたのしみ。

『週報』のこと。あの電話の模様だとね、ちぢみのシャツ、ズボンの無精髭を生やした五十すぎのだらしのない男が、三四人人をつかって、妙な机並べてやっている、そういう感じよ。ごろつきくずれの昨今仕事めいていた、いかにも近代事務性に欠けて居る感じでした。きっと寿江子が電話口でかんしゃくおこして汗をふくことでしょう、名前さえその親方は正確にきこうとしないのよ。

外交と云えば、この間の丸善のに、ハバードで出る外交の本の広告があって、十六円で閉口ながら面白そうでした。もしお気が向いているなら注文しましょうか、ああいう風にまとまっているのは余りこれ迄もなかったようです。War & Peace in Soviet Diplomacy. ハバードだのその他の監輯の下に。一番終りの裏に出ている広告よ。これには御返事下さい。ドイツ語の本も入らず、英仏入らず。