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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

08 一九四一年(昭和十六年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页

青空文庫

おばあちゃんは八十二歳です、二十九日三十日と箱根へ一家で一泊に行って、おばあちゃんは極楽だったそうです。タア坊にエリ巻の可愛いの、健ちゃんには文具。それが私のおくりもの。

四時頃うちへかえり、お風呂に入り、それからねて、おひるにお祝いをいたしました。去年のお雑煮ばしの袋のような奇麗なのはなくて、白い紙に赤で縁どりが出来ていて、鶴まがいの字で寿とかいてある、それに先ずあなたのお名をかき、自分をかき、寿江とかき、恭子とかいた次第です。

三十一日まで私はパタパタだったから元旦、二日のうのうして、元日の夜は全家八時半就寝で私は又完全に十二時間眠りました。

林町では一家揃って四十度近い熱を出して風邪正月です。寿江子は二十九日からうちでかぜでこしをぬかして今だに滞留です。

元旦は窪川のター坊が来て、まア私は何をしたとお思いになって? 羽根つきよ。門の外で。何年ぶりでしょう! なかなか面白くてこれから一人運動につかうかと思います、上を見るでしょう、そして羽子をおっかけるでしょう、それがテニスのように激しくなくてなかなかいいの。タア坊、お恭、寿江と羽子ついていたら、近所の小さい女の子がのぞくので、あそびましょう、と一緒にハネをつき、その子も来てちょっとスゴロク(花咲爺よ!)して、やがて健造と女中さんが迎に来て夕方かえり