轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

08 一九四一年(昭和十六年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页

青空文庫

のよ。

隆治さんのことは、私は次のような点から感服するのよ。酒をのむのまぬ、煙草を吸う吸わぬ、そのこと自体は吸ったからわるいという考えかたでは余りかたくるしいけれど、そういうものなしに様々の艱難を凌ぎとおしてきたという、そういう素面でいる人間の勇気というものを私は感服するの。達ちゃんの話では、迚ももてん、というのですから。そしてまわりは皆やる。自分がやらない。いつも正気でいる。そして酒の勢をかりてやることを見て来ているし、やらせられて来ている。そこに何か痛切なものがあります。私はそこを思うのよ。隆ちゃんがその正気の心で経験して来たことを思うのです。例えばヘミングウェイは大変男らしい作家です、爽快な男です。私は随分気に入ったところがあるのだけれど、この人の小説には、酒とたべものが何と出て来るでしょう、官能の性質が推察されるようです。どうなってゆくだろう、この先、という心持の中にはこの作家のそういう面もやはり一つの条件となっているようなもので、隆ちゃんのしらふについて深く考えるわけです。

さて、十三日のお手紙はいかにも用向のお手紙ね。これは竹の垣根のすこし古びたののようよ。