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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
きっといろいろおっしゃるような諸点あるのでしょうと思うけれど、でも全体とおしてよまれた場合、いくらかあの二つだけで想像されるよりは多くひろく深く語っているでしょうと思われます。中公に入る部分のままで高山のに入っているのよ、直そうと思って居ませんでした。「明治の三女性」はよみました。岸田俊子のことなど、あれで大分学んで、明治初年の『女学雑誌』を上野で見て得たところ補充しました。夏葉は青鞜の時代にまとめて出ました。私の願うところはね、チョロチョロと流れ出した水の流れについて我知らずゆくうちに、濤も高く響も大きい境地に読者がひきこまれてゆくというところなのよ。
十日のには、雪が降って悦んでいることだろうとあり。あの雪はなかなか作用して、この小説は「雪の後」という題になりました。あの日の情景がいろいろと映った短篇です。峯子というのが主人公よ。小さいけれど、真面目な作品よ。なかなか愛らしいところもある、そう思っているの。正二という峯子の許婚がいます。「夜の若葉」で気がおつきになったでしょうか、順助の口調。作者は順助に好感をもっているのです。情愛というものがある男として描いています。