轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
たたかいのうちに七十歳になったこのひとが、こんな新鮮さでローザを思いおこしていることに、伸子は心にふれて来るものを感じた。クララ・ツェトキンとのくらべかたも、男として山上元のうちにある婦人への好みが知らず知らずあらわれている。おそらく多忙なこの人にとって、まれなくつろぎのひととき、どんな公の関係もない伸子のようなものをあいてに、こういう昔話も出る、それら全体の雰囲気を伸子はよろこびをもって感じた。
「そのアムステルダムのとき、プレハーノフにもお会いになったんでしょう?」
「そうだ、そうだ」
山上元は、両方の下瞼にふくろの出来ている三白眼で、自分の前にちょこなんとかけている伸子を、思いがけなそうに見直した。
「よく、そんなことまで知っているね」
「だって」
おかしそうに伸子は笑った。
「書いてあるんですもの」
「そんなはずはない」
とがめるような鋭いまっすぐな視線が山上元の瞳から射出された。伸子は山上が、「自伝」のこととごっちゃにしたのを感じた。
「『自伝』じゃありません。ほかのひとが、あなたについて書いているもののこと」
「ああ、そうか。わかった」
「アムステルダムの会場で、ロシアへの侵略戦争反対のアッピールをなすったことや、大会が戦争反対の決議をしたことや、平民新聞が戦争反対したことや――古いことは、割合しられているん