轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

声をかけて、あけはなされているその室の入口に立ったとき、伸子はまた不思議な心持になった。若いきれいな女のひとがたった一人、そのバラ色で装飾された室の真中にフランス脚の茶テーブルを出して、その上でタイプライターをうっていた。なぜ、このひどく華奢な、なめらかなこめかみに蒼みがかった金髪を波うたせている女のひとは、こんな室の真中でタイプライターをうっているのだろう。その若い女のひとのこのみが、そういう位置を彼女に選ばせているらしかった。伸子たちが、そのきれいな人とでは事務的にてきぱきとはすすまない話をしているところへ、外から、この室の責任者である中年の男のひとが戻って来た。淡い肉桂色のネクタイをして、手入れのよい鳶色の髪や白い額の上に、いまその下をとおって来た青葉のかげが映っていそうな風采だった。

モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)のブロンナヤ通りに面して、フランスまがいの飾りドアが、一日中開いたりしまったりしているモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)‐ヴ・オ・ク・スの活況と、ここのしずけさとは、何というちがいだろう。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)のヴ・オ・ク・スは、あぶくを立て湯気をたてて煮えたっているスープ鍋だった。