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さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
「大阪毎日新聞」1900(明治33)年8月9日~9月27日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 页
」
「私だって困っている、」とお夏も差俯向いた。
「月夜で門へ寄合ったという条、大きな野郎が五人三人、こうやって来たんだから、よくよくの事だと思いなさい、ね、ささ、これが一番分が早い、分りましたか。」
退引かせず詰寄るに従って、お夏はますます庇立、蔵人に押被さるばかりにしつつ、
「もうきっとですよ、きっと鳴きはしませんよ、大丈夫だよ。私がよく言って聞かせますから。」
「おやおや、この上軍鶏と話なんぞされて堪るものか、気味の悪い、何てッたってどうせ助けてはおかないんだ。へん、言って聞かせる、人間の言うことを肯いて鶏が鳴かないようなら、勝手の悪い時は夜が明けねえや。」と嘲笑った者がある。
お夏は屹と見て、
「何、」
「何、何たあ、何たあ何だい、経師屋の旦那に向って、何たあ何だい、そんな口は軍鶏に利け。」
「はい、軍鶏の方が、お前さん方より余程いうことが分りますよ。」
「皆様。」
一同の眼はお夏に注いだ。
「面倒だ、やッつけましょう、可いや、手籠が悪いという方がありゃ後でまた対手になる、留めなすったって合点しねえ、さあ、退け。」
腕まくりをして掴みかからんず権幕であるのに、お夏は更に意に介しないか、眼あるものならば面をも向けられないほど、品ある顔に笑を湛えて、