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さんまいつづき

三枚続

泉 鏡花

「大阪毎日新聞」1900(明治33)年8月9日~9月27日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 页

青空文庫

「何、串戯なものか真剣だ、ずっと寄んねえ、内証話は近い方が可い、」と、ぐいと引くと、身体が斜に靡く処を、足を挙げて小間使の膝の上に乗せた、傍若無人の振舞。

「何をするか、」

「光!」と堪りかねて大人と後室、一は無法者を、一は小間使を、ほとんど同時に同音に叱咤した。

小間使こそ、膝は犯される、主人には叱られる、ばたばたと身を悶え、命の瀬戸際と振放してフイと遁げた。

愛吉は腕を反し、脚を投出したまま哄然として、

「ははははおもしろい、汝! 嫌われて何がおもしろい。畜生、」と自ら嘲って、嚔を仕損ったように眉を顰め、口をゆがめて頬桁をびっしゃり平手でくらわし、

「様あねえ、こんなお大名の内にも感心に話せそうなのが居ると思ったがやっぱりいけねえ、ぐうたらのおたんちんだ。我が顔つきが気に喰わねえそうだ、分らねえ阿魔じゃあねえか。やい、」と才子が踵をかさねた腰に近き、その脚で畳を蹴たが、頤を突出した反身の顔を、鴨川と後室の方へ捻向けて、

「汝等一体節穴を盗んで来て鼻の両方へ御丁寧に並べてやあがるな。きょろきょろするない、こう睨むない、蛙になるぜえ、黙って目を瞑って、耳の穴を開けて聞け。