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さんまいつづき

三枚続

泉 鏡花

「大阪毎日新聞」1900(明治33)年8月9日~9月27日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 页

青空文庫

と愛はいう内にもその迫った眉を動かすのであった。

紋床は、しばしばあって、珍しからぬ、愛吉がかかる様子に馴れて、いうことを何とも思わず、

「妙だな、お前また腹が立って為様がないから、そこで身体を寝かしていたろう。」

「親方、茶かさずにさ、全くだね、私あ何だ、演劇でする敵ッてものはちょうどこんなものだろうと思いますぜ、ほんとうに親の敵。」

「可い気なことを言ってらあ、お前母親は死んでやしねえじゃないか、父爺の敵なら中気だろう、それとも母親なら、愛的、お前がその当の敵だい。」

「何だってね。」

「苦労をさせるからよ。」

「気が早いや親方、誰も権太左衛門に母親が斬られたとは言やしません、私あ親の敵と思う位、小癪に障る奴が出来たッていうんです。」

「はてな。」

「それでね、出来るものならふん捕えて畜生撲殺してやろうと思って、こう胸ッくそが悪くッて、じっとしていられねえんで、まったくでさ、ふらふらして歩行いたんで。」

「待ちねえ、おい、お前感心だな、ははあ解ったい、そうするとお前は大望のある身体だ、その敵討をしようという。」

「そうですよ。」と真顔でいった。

「そうですよもねえもんだ、何だな、それがために浮身を窶し、茶屋場の由良さんといった形で酔潰れて他愛々々よ。