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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
「もう、御用はよろしゅうございますか」
「ええ、御足労でした。へんな質問で、気を悪くしないで下さい」
「もしや何か、海老塚先生と御婦人との問題でしたら、たぶん、千草さまにおききになると分るでしょう。先生が釣殿へお泊りの夜は、夜中に一度はたいがい釣殿へおでかけになりますから。皆さまは御存知ないかも知れませんが、下の者たちの間では知らない者がございません。千草さまは、コソコソ忍んで行かれるわけではございませんで、かえって何か御名誉の御様子ですから」
ジロリと私たちに目をくれて、キチンと四十五度ぐらいに頭を下げて、ふりむいて立ち去った。
「とりすましたヒネクレ女め、体温まで冷いのじゃないか」
「イヤア、案外モチハダか何かで、ポチャポチャあったかいかも知れませんや」
と巨勢博士が処女趣味に似合わしからぬ言辞を弄して、御婦人連をビックリさせた。
「どうだい、博士、誰か容疑者らしいものがあるのかね」
「いいえ、一向に」
「警察の人たちは何か証拠を握ったのじゃありませんか」
一馬がこう訊いたが、博士は両手をうしろ頭へ組んで髪の毛をゴシゴシこすりながら間の悪そうな笑い方をして、