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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
警察もこの男に目をつけはじめたという話だよ」
一馬は困りきった顔をしてきいていたが、
「その男は疎開者といったって、村の出身なんだよ。奥田利根吉郎という製図工か何かの復員軍人で、復員したら家が焼け、妻子も行方が分らなくて、少し気が変になってるという男なんだ。尤も気が変になったのは戦地にいた時からで、北支にいたんだが、その頃から孔子に凝って、今でも疎開の部屋の窓に、孔子研究所とか、論語研究会という看板をだしているそうだよ。人づてに聞いた話だけど、いつか道で王仁に会って何か言いがかりをつけたら、王仁にガンとやられて敗退したということでね、痩せてヒョロヒョロの男だから、王仁にかかっちゃ問題にならない。小犬みたいにキャンキャンシッポをまいて逃げたそうで、然しね、この先生は王仁をエロ作家だとか云うけど、この先生だって妙なんで、うちのあやかのところへ時々変な手紙をよこすんだよ」
あやかさんも困った顔付で、
「でも、ラヴレターじゃないわ。やっぱり王仁さんに関係のあることなんですもの。王仁さんみたいなエロ作家にだまされるな、なんて」
「気違いかも知れませんが、筋は通ってますな。