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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

附記 不連続殺人事件という題名が色々問題となり、要するに不連続というのだから、事件ごとに犯人が違っているんだろう、という名探偵がしきりに登場している由、先ずヨミスギ刑事が拙宅へ現れて、あの題名が手掛りさとカンのいいところを見せて行きましたが、どうやらヨミカタが足らないようです。

アタピン女史もはるばる九州飯塚から親書をよせられ、七人か八人死ぬそうだけど、殺した犯人が次々に殺されて行くなんて、イヤなトリックね、とこれ又実に、さすがにアタピンアタマへピン、恐れ入りました。そう易々とトリックを見破ってはいけません。

題名から犯人を推定するなんて、半七捕物帳の手口ですよ。カングリ警部は探偵小説の本の装釘の図案から犯人を推定する達人でしたから、まことにどうも、明治維新以後は、とても真犯人は捕まらない。

探偵小説ともなれば、作者は題名からして色々とカングッております。名探偵諸先生があんまりダラシなく半七捕物帳ぐらいのところで見栄をきるので、笑止というよりも、まことに日本の治安のために歎かわしい。

今に巨勢博士が連続、不連続という事に就いてアッサリと一場の訓話をのべる時があるでしょう。