轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

「僕は歩きつづけていたです」

海老塚は肩を張って、吐きすてるように言った。

「ふん。僕は歩きつづけていた。然し、まっすぐ帰宅の道ではないだけのことだ。バカ者ども、ハレンチ漢どもの濁り汚れた空気を払い、僕自身をとりもどすために、やむを得ず不馴れな諸方の裏山道をさまよっていただけのことだ。だから手に怪我もした。フン。ここは犬の宿じゃないですか。フン、バカバカしい」

「だれかに会うとか、人を訪ねて話しを交すとか、そんなことは、なさらなかったのですか」

「フン、この村に僕の訪問に値する何者がいるか、バカバカしい」

「千草さんは昨夜九時半にはもう殺されていたからさ」

と木ベエがひやかした。海老塚は怒りにふるえ、拳を握りしめ、顔一パイの目の玉でギラギラと木ベエを睨んで、息をのんだ。

カングリ警部はそのとき目をあやかさんに向けて、

「奥様、昨夜は御災難でしたな。お怪我はよろしいのですか」

あやかさんはニッコリと、

「ありがとうございます。左脚の膝がちょッと痛むだけ。あとはカスリ傷ですの」

「奥様が寝室へ逃げこむ、土居さんが追っかける、扉をたたく、蹴る、土居さんは十二時ごろまで、それをつづけていたのですね」